“デレクションの面白さ” と “母の昔からの夢”
彼女は、明治学院大学に通う4年生。
両親が2人ともベトナム人で、幼少期から様々な苦労を経験してきた。
その経験から、「自分の本心ややりたい事を表に出さず生きる」というスタンスが身についてしまったという。
そんな井口氏とファッションとの運命的な出会いは2019年。
大学の友人と立ち上げた慈善団体MGCで企画したファッションショーの、総監督という大役を任された時から、彼女の“Director”としての時間が動き出した。
井口氏はショーの舞台構成、洋服、モデル、ヘアメイク、会場装飾など全てを取りまとめ、見事そのファッションショーは大成功をおさめた。「自分が裏方になって、洋服を着たモデルさんを通して人々に魅力を伝えるという面白さにその時気づいたんです」と語る彼女。
運営や何かを立ち上げるという事に、ワクワクや達成感を実感し、生まれて初めて「自分が何がやりたかったのか」をはっきり自覚できたという。
そして母の昔からの夢が、「自分のアパレルブランドを持つ」ということ。
「母が実現できなかったこの夢を、自分が代わりに実現して、今まで必死に育ててくれた恩返しをしたいと思うようになりました」
「デレクションの面白さ」と「母の夢の実現」、この2つがDirector井口氏が誕生する原動力になったのだ。