French & Korean Modern 井口恵の世界 | LTPS GINZA

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Chief CuratorAKO

TPS GINZAショーケース展示の第10弾は、Director 井口 恵の創り出すミニマルな世界観のファンションブランド『BECCA』。
井口氏は、新しいファッションのカタチを追求し続け、企画から広告戦略、販売まで全て自身で手がけている。
そして驚くことに彼女は、現役の大学生。
大学生でありながら、なぜファッションディレクターとしての道を歩み始めたのか、BECCAがどのように誕生したのか。
今回は、彼女とBECCAの軌跡を辿っていこうと思う。

French & Korean Modern 井口恵の世界

現役大学生 +Director= 井口 恵

“デレクションの面白さ” と “母の昔からの夢”

彼女は、明治学院大学に通う4年生。
両親が2人ともベトナム人で、幼少期から様々な苦労を経験してきた。
その経験から、「自分の本心ややりたい事を表に出さず生きる」というスタンスが身についてしまったという。

そんな井口氏とファッションとの運命的な出会いは2019年。
大学の友人と立ち上げた慈善団体MGCで企画したファッションショーの、総監督という大役を任された時から、彼女の“Director”としての時間が動き出した。

井口氏はショーの舞台構成、洋服、モデル、ヘアメイク、会場装飾など全てを取りまとめ、見事そのファッションショーは大成功をおさめた。「自分が裏方になって、洋服を着たモデルさんを通して人々に魅力を伝えるという面白さにその時気づいたんです」と語る彼女。

運営や何かを立ち上げるという事に、ワクワクや達成感を実感し、生まれて初めて「自分が何がやりたかったのか」をはっきり自覚できたという。

そして母の昔からの夢が、「自分のアパレルブランドを持つ」ということ。
「母が実現できなかったこの夢を、自分が代わりに実現して、今まで必死に育ててくれた恩返しをしたいと思うようになりました」

「デレクションの面白さ」と「母の夢の実現」、この2つがDirector井口氏が誕生する原動力になったのだ。

“デレクションの面白さ” と “母の昔からの夢” “デレクションの面白さ” と “母の昔からの夢”

“継続する”という難しさ

そうして、2020年7月に井口氏自身が立ち上げたブランド『Cherieva(シェリーヴァ)』が誕生した。

デザインや運営を全て自分で行い、学業との両立がとにかく大変だったという。
「この時は、利益など全く考えずに、やりたいからやっているという感じでした。なので、お金と時間のコストが相当かかりました」と井口氏。

自己資金で全てを賄っていたため、デザインを描いて業者に渡し服を作ってもらうコスト、撮影や広告のコスト、全てが予想外にかかってしまい、次のシーズンの為の資金が全く残らなかったという。

立ち上げるのは簡単だが、それをコンスタントに継続していく難しさを痛いほど実感した井口氏。
しかし彼女は、これで諦めるのではなく、もっと違う方法で自分のブランドを成功させる道はないだろうかと模索し始めた。

“継続する”という難しさ “継続する”という難しさ

“環境保全”の理念から生まれた新たな挑戦

模索し続ける日々を送る中、井口氏は大学で、「ファストファッションが引き起こす環境汚染」という講義を受けた

先述した慈善団体MGCは、洋服を通して社会問題を考えていく団体。その団体で、洋服と環境保全の問題に力を入れていた井口氏にとって、その講義はかなりの衝撃だったという。

「中国の工場で1000着洋服を作ったとして、そのうちの100着は廃棄されてしまうという事実に衝撃を受けました。その廃棄される100着をなんらかの方法で回収してそれを売れば、環境汚染を少しでも抑えられるかもしれない、そう思いついたんです」そこから彼女は、洋服を大量生産している中国の工場を片っ端から調べ上げ、仕入れ先を確保。

工場で廃棄される洋服に、“オリジナルブランドの服”として新しい命を宿す。Directorとして、彼女の新たな挑戦の道がひらけた瞬間だ。

「ファストファッションによる環境汚染を解決していきたい」
環境保全に対する強い想いと、井口氏の抜群の行動力が BECCAの土台を創り上げ、2021年1月、Director 井口氏が手がける新しいブランド『BECCA』が誕生した。

“環境保全”の理念から生まれた新たな挑戦 “環境保全”の理念から生まれた新たな挑戦

French + Korean + Japanese= BECCA

NEW BASIC FOR NEW CULTURE

こうして誕生した『BECCA』。
ブランドコンセプトは、「洗練された“フレンチテイスト”と今人気の“韓国テイスト”のマッチング」

そして、「“リアルなクローゼット“を再現したい」という彼女の想いから、サテンやコットンなどの素材にもこだわり、毎日着たくなるような洋服でありながら、上記のコンセプトにもマッチしているアイテムをセレクトしているという。

BECCAのアイテムを見てみると、ベーシックな雰囲気ながらもデザインにひとスパイス加えたものが多い。
「忙しい朝でも、1つのアイテムを着るだけでコーディネートが完成できるような、デザイン性が高いものを中心にセレクトしています」
ワンピースを1枚着ただけで、自分のファッション偏差値が上がったような気分を味わえるのはこの上ない喜びだ。さりげなさの中に、キラリと光るセンスを秘めたBECCAのアイテム。

「フレンチと韓国のテイストをミックスさせたファッションを日本で売る」
まさに、ベーシックと新しいカルチャーの融合だ。

ずっと自分を内にしまい込んでいた井口氏。
BECCAというブランドを立ち上げることによって、ずっと欲しかった“自分の取り柄”と“強み”を手に入れることができたという事が何よりも嬉しいという。
今後も環境とファッションの共存をテーマに、彼女はDirectorとしての手腕を発揮し、『BECCA』を更なるステージへと成長させていくことであろう。今後の彼女に躍進に、ますます目が離せない。

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LTPS × BECCA ラインナップ

LTPSではBECCAの洗練されたアクセサリーを展示

現在LTPSでは、BECCAのアクセサリーを中心に展示している。

やはりアクセサリーも、「French × Korean」のコンセプトを元に井口氏がセレクト。
洋服を選ばず、毎日身につけたくなるようなアクセサリーばかりだ。

【リング アクセント白 3つセット¥1,430(税込)】
【リング アクセント黒 3つセット¥1,430(税込)】(写真上)
白のストーンと、黒のストーンがファッションのスパイスになりそうな3つセットのリング。
それぞれ、ストーン付きのリングの他に2つのストーン無しのシンプルなリングがセットになっている。
合わせて使うのはもちろん、単体でも使いやすそうなデザインだ。

【バレッタ 各¥1,680(税込)】(写真中)
韓国ファッションでもトレンドのバレッタ。つや消し仕上げのシルバーとゴールドの2色。シンプルなデザインだから、どんなシーンでも活躍しそう。他にもつや有りのシルバーとゴールドも展示している。

【マスク ¥2,530(税込)】(写真下)
今や日常の必需品となったマスク。毎日つけるものだから、質が良くてオシャレなものを使いたい。シルク素材で、ストラップ付き。長時間つけ心地の良さを発揮してくれる優秀マスク。色展開は、ベージュと黒の2色。



LTPSではBECCAのアクセサリーの展示と販売を行っている。上記で紹介したアイテム以外も豊富にラインナップ。気になる方は、ぜひLTPSに足を運んでいただきたい。
BECCAのサイトでも購入可。

instagram: becca.select

LTPSではBECCAの洗練されたアクセサリーを展示 LTPSではBECCAの洗練されたアクセサリーを展示 LTPSではBECCAの洗練されたアクセサリーを展示